Auto Expressの報告によれば、BYDのSeal 6 Touringが英国で月々215ポンドという価格でリース販売を開始した。これは欧州の同クラス電気ワゴンと比較して明確に競争力のある数字だ。

「Touring」が意味すること

Seal 6 TouringはBYDが欧州市場向けに力を入れているステーションワゴン(エステート)タイプだ。欧州、特に英国・ドイツ・スウェーデンでは実用的なワゴンへの需要が根強く、テスラ Model YやVolkswagen ID.4では対応しきれないニーズがある。

BYDはこのギャップを意識して、ツーリングバリアントを戦略的に欧州優先でラインアップに加えた。

ハンガリー工場という戦略的賭け

BYDがハンガリーに建設中の欧州向け生産拠点は、関税問題への対応とサプライチェーンの現地化を目的としている。EUは2024年に中国製EVへの追加関税を導入しており、欧州内生産はこれを回避するための重要な戦略だ。

工場の本格稼働によって、中国からの輸送コストや関税負担が削減されれば、価格競争力はさらに高まる可能性がある。

残価という未解決問題

月215ポンドという数字は魅力的だが、リース契約の終了時点での残価(リセールバリュー)はまだ不透明だ。中国ブランドの欧州でのブランド認知が高まるにつれて残価も安定すると期待されているが、現時点ではBMWやメルセデスに比べて残価率が低く設定されることが多い。

このギャップが埋まるかどうかが、BYDの欧州定着を左右する重要な指標となる。