フォルクスワーゲングループが現行ラインナップの約半分を廃止する方針を発表した。VW、アウディ、ポルシェ、シュコダ、セアト/クプラなどを含む傘下ブランド全体で、現在約40〜50あるモデルが大幅に削減される見込みだ。これは「モデルの整理」ではなく、構造転換と呼ぶべき規模だ。

なぜ今、なぜこの規模で

タイミングは複数の圧力が重なった結果だ。

第一に、欧州でのEV販売がVWの計画を下回っている。ID.ファミリーは批判的には評価されているが、期待された販売台数の転換をまだ実現できていない。一方、内燃機関向けに構築された製造コスト構造は、EV移行期には維持コストが高い。

第二に、中国市場の変化が大きい。VWの中国合弁会社はかつてグループ最大の利益源だったが、BYDをはじめとする国内EVメーカーとの競争が激化し、販売台数が大幅に落ちている。50モデルを正当化していた中国市場の支えが失われつつある。

どのモデルが危ないか

正式なリストはまだ公開されていない。報道によれば、同一価格帯で重複するSUVモデルが最初の標的となる可能性が高い。

アウディはこの課題が最も鮮明だ。Q3、Q4、Q5、Q6、Q7、Q8——さらにそれぞれのe-tron版を加えると、アウディだけで多くのブランド全体より多いSUVを提供している。その一部は必ず削られるだろう。

ポルシェはラインナップが小さく、各車名の知名度も高いため、削減がより注目される。しかしポルシェのコアモデル——911、カイエン、マカン——は守られる可能性が高い。

日本市場への影響

日本での輸入車市場において、VWとアウディは存在感を持つブランドだ。ラインナップの削減は、日本で購入できるモデルの変化にもつながる可能性がある。一方で、集中されたリソースによってモデルの質が向上するなら、残存モデルの魅力が増す可能性もある。

ラインナップ削減が単なるコスト削減に終わるのか、それとも本質的な品質向上につながるのか——この問いへの答えが、VWの次の10年を決める。