クラウドゲーミングの市場は予想より遅く成長している。NvidiaのGeForce NOW、マイクロソフトのXbox Cloud Gaming、ソニーのPlayStation Remote Play——いずれも「ゲームの未来」として語られながら、メインストリームには届いていない。そこにMetaが本格参入している。Metaがゲームを必要とする理由は、他のプレイヤーとは全く異なる。
Metaにとってゲームは何か
Facebookの本体事業は広告だ。しかしMetaが向かおうとしているのはメタバース——3次元的な没入型インターネット体験の世界だ。
この目標において、ゲームは最も重要な「入口」だ。人々がバーチャル空間に何時間も費やすことに慣れている唯一の文化的前例が、ゲームだからだ。Questヘッドセットにゲームが充実することは、メタバース習慣の形成に直結する。
クラウドゲーミングの統合は、Questの最大の課題——スタンドアロンヘッドセットとしての処理能力の限界——を回避する手段でもある。ゲームをクラウドから配信すれば、重いレンダリングをサーバー側で処理できる。Questは「画面と入力デバイス」として機能すれば足りる。
XboxクラウドゲームのQuest統合
注目すべき動きはマイクロソフトとの提携だ。Xbox Cloud Gamingは、Quest上で動作するアプリとして展開されており、Questユーザーがゲームパッドを使って主要Xboxタイトルをプレイできる。
これは両者にとって合理的な取引だ。マイクロソフトはGame Passの配信チャネルを拡大し、Metaはゲームコンテンツのカタログ問題を低コストで解決する。
ゲームコンテンツの獲得コスト(スタジオ買収・独占タイトル開発)は莫大だ。マイクロソフトはActivision買収で数百億ドルを投じた。MetaはXboxパートナーシップで、自らスタジオを持たずにそのライブラリへのアクセスを得ている。
日本市場での評価
日本でのMetaとVRゲームの状況は、欧米と大きく異なる。
PlayStation VRが強固な地盤を持つ日本市場で、Questのシェアは限定的だ。日本のゲーマーはコンソールとの統合性を重視する傾向があり、スタンドアロンVRヘッドセットへの転換は欧米より遅い。
また、日本のゲーム市場はコアゲーマー文化が強く、クラウドゲーミングの「ストリーミング品質への許容度」が低い。ラテンシーと画質への要求水準が高い日本のゲーマー層は、現状のクラウドゲーミングに満足しない。
Metaのゲーム戦略が依存する前提
MetaのゲームとVRへの賭けは、一つの大きな前提に依存している:VRが最終的にメインストリームになる、という前提だ。
Questは年々改善し、Questは3の完成度は高い。しかしVRの日常使用への普及は、2016年にVR元年と呼ばれた年以降も、期待を下回り続けている。長時間使用の不快感、コンテンツカタログの薄さ、社会的な「着用の文化的障壁」——これらはまだ解決されていない。
Metaのゲーム戦略は、メタバースという賭けの一部だ。その賭けに勝つかどうかは、ゲームコンテンツの充実だけでは決まらない。
