「なぜスニーカーにイーサネットケーブル?」という問いではない。本当の問いは「なぜこれが成立するのか?」だ。
約170本のケーブル、ケーブルタイ、RJ45コネクタ——そして3本ライン
カンザスシティを拠点とするアーティスト、コーリー・インフィニットは、アディダス Adistar XLG 2.0 に約170本の廃棄イーサネットケーブルを施した。様々な長さに切断されたケーブルは、側面のアディダスの象徴的な3本ラインを形成している——印刷でも刺繍でもなく、RJ45コネクタとケーブルタイを用いた手作業の構造体として。各ペアはユニークで、調達できる素材によってケーブルの色と配置が異なる。
このコラボレーションは2026年ワールドカップと連動している。Teezo Touchdownはアディダスのミュージカルアンバサダーの一人として大会に関わっており、このプロジェクトはブランドがワールドカップをきっかけに展開する、標準的なマーチャンダイジングを超えたクリエイティブな取り組みの一環だ。
素材の序列に対するメッセージ
イーサネットケーブルの選択には意味がある。オフィスケーブル、データセンターのパッチコード、ネットワーク配線——これらは大量に廃棄される素材で、プラスチックの外皮が十分回収可能であるにもかかわらず、多くがゴミとして処分される。スニーカーに使うことは、美的判断であると同時に素材の価値に関する声明でもある。ネットワークケーブルはファッション経済ではゼロに等しい価値しか持たないが、アディダスのベースに施された瞬間にコレクターズアイテムになる。
生産は少量——数足のハンドメイド、数字は非公開。これは意図的なものだ。コーリー・インフィニットは大量生産ではなく一点物のロジックで活動している。
ワールドカップをクリエイティブな文脈として
アディダスは大型スポーツイベントを、斜め上のアーティストコラボレーションのための舞台として使う伝統を持つ。Teezo Touchdownのビジュアル世界——Y2Kとテック美学が交差する——は、プロジェクトを説明不要で一貫したものにしている。イーサネットケーブルは、2000年代のビジュアル文化においてAir Force 1やReebok Classicと同等の参照点を持つ。
コレクターとデザインメディアの狭いサークルを超えてこのプロジェクトが響くかどうかは、まだわからない。アディダスにとっての問いはそこにある。単発のアーティストコラボは会話を生むが、プロダクト戦略の代替にはならない。
