高級品株の動きは、投資家がこのカテゴリをどう評価しているかを映し出す鏡だ。世界最大の高級品グループであるLVMHは現在、次の業績データが出るまで模様眺めの状態にある。そしてその比較対象として常に浮かび上がるのがエルメスだ。

LVMHが直面する現状

LVMHの主力事業であるファッション&レザーグッズ部門——ルイ・ヴィトンとディオールが利益の大半を担う——は、高級品市場全体と同様の課題に直面している。中国消費者の支出回復は2023年以前の水準に戻りきっておらず、米国消費者は堅調ながら選別的な消費行動を示している。

エルメスという特別な存在

エルメスはバーキンとケリーのウェイティングリスト、突出した利益率、経済サイクルに左右されない価格決定力を持つ。ルイ・ヴィトンが最も近い比較対象だが、事業モデルは大きく異なる。ルイ・ヴィトンはより大きな販売量で運営し、エルメスは意図的に供給を制限する。この制限こそが価格決定力の源泉だ。

今後の注目点

LVMHに関する主要変数は:中国消費者の信頼感と支出動向(特に免税・トラベルリテールチャネル)、米国市場でのブランドパフォーマンス、そして広告・店舗展開への投資が相応のリターンをもたらしているかどうかだ。

市場は待っている。エルメスは自らの軌道で孤高の存在であり続ける。