01net.comの報告によれば、吉利汽車(ジーリー)が中国国内販売台数でBYDを抜いて首位に立った。この数字が持つ意味は、単純な順位変動以上のものがある。
BYDの誤算
BYDはここ数年、「EVの世界覇者」というナラティブを軸にグローバル戦略を展開してきた。欧州市場への進出、ヒュンダイやトヨタを超えることを射程に収めた野心的な販売目標——その一方で、自国市場での基盤が揺らいでいることが今回のデータで明確になった。
中国国内市場では価格競争が極めて激しく、吉利傘下のGeely、Zeekr、Polestar、さらにはボルボの中国ラインアップが幅広い価格帯と車種でBYDに攻勢をかけている。
吉利グループの多層戦略
吉利の強みはポートフォリオの広さだ。大衆向け吉利ブランドから、プレミアムEVのZeekr、欧州ブランドを統合したポールスター、そして商用車まで、複数のセグメントを横断して戦える体制がある。
BYDが「BYD」という単一ブランドに集中する戦略を取るのに対し、吉利は複数ブランドを傘の下に持つ持株会社モデルをとっている。この差が市場シェアの分散リスクを下げている。
日本市場への示唆
BYDは日本にも乗用車を投入しており、着実に認知度を上げている。しかし今回のデータは、中国国内でのBYDの立場がいかに競争的な圧力にさらされているかを示す。
グローバル展開を加速するBYDが自国のシェアを守りながら海外市場も攻めるという二正面作戦を維持できるかが、今後の注目点だ。
