企業が何を目指しているかは、誰を採用するかで分かる。Macy’sがALexandre Choueiri氏——Kering Beauté アメリカ大陸のCEO・プレジデント、すなわちGucci、Bottega Venetaなどのフレグランス・ビューティ事業を統括してきた人物——をBluemercuryのトップに迎えた。このキャリアプロファイルは多くを語っている。

Kering BeautéはラグジュアリービューティにおいてはGlobalに最も要求水準の高いオペレーションを行うプレイヤーのひとつだ。Choueiri氏はそれを大陸規模でエグゼクティブレベルで担ってきた。Macy’sに移ることは彼にとってタイトル上の横移動ではなく——何か価値があるものを提供されたことを示している。

BluemercuryとはMacy’sにとって何か

Bluemercuryは2015年にMacy’sが買収したラグジュアリービューティ・スパチェーンだ。従来のデパートのビューティカウンターとラグジュアリースパの間に位置するユニークな立ち位置——知識豊富なスタッフ、厳選されたプレステージアソートメント、パーソナライズされたサービス体験が特徴だ。

Macy’sのポートフォリオの中で、Bluemercuryは最も差別化の可能性が高い資産だ。より高所得でより購買意図の明確な顧客を引き付け、その購買決定はプロモーション価格ではなく体験の質によって動く。Bluemercuryを正しく育てることは、Macy’sがよりプレミアムなリテールポジションに向かうための現実的なルートのひとつだ。

Choueiri氏が持ち込むもの

採用の価値は組織図上のプレステージではない。ラグジュアリーブランドが小売現場をどう構築するかについての実践的な知識——スタッフのトレーニング方法、アソートメントの組み方、ブランドアイデンティティと一貫した販売現場体験の作り方——だ。

Bluemercuryに適用されれば、ブランドパートナーシップの精選、店舗スタッフのスキルアップ、そして通常の流通チャンネルに入っていないニッチ・プレステージブランドとの戦略的提携へと繋がる可能性がある。

本当の試験

適切な人材を採用することは、人的資本への投資だ。その戦略を複数拠点のリテールチェーンの運営制約の中で実際に機能させることは別の課題だ。Choueiri氏がKering Beauté式のアプローチをBluemercuryのモデルに移植できるかどうかが、この採用の本当の評価軸になる。