ブライアン・ニコルがスターバックスCEOに就任したのは2024年秋のことだ。チポトレでの成功を引き提げ、迷走するスターバックスを立て直す役割を担った。

昨日発表された2026年度第3四半期決算(2026年4〜6月期)は、方向性が変わったことを示す3四半期連続のシグナルとなった。

数字が示すもの

最も重要なシグナルは来客数の回復だ。2年間の減少傾向から一転、来客数がプラスに転じた。小幅ではあるが、3四半期連続となると「ノイズ」とは言えない。米国市場が最も明確な改善を見せており、メニュー簡素化とサービス時間短縮が寄与している。

売上は増加しているが、営業利益率はコロナ禍前水準にはまだ届かない。人件費(最低賃金の引き上げ)と原材料費が圧迫要因だ。スターバックスはこれらのコストを価格に完全転嫁せず、来客頻度を守る選択をしている。

日本市場については、季節限定商品のヒット継続と都市型小型店舗の好調が報告されている。

ニコルが変えた3つのこと

メニューの絞り込み。 数百に膨れ上がっていた商品数を大幅削減。バリスタの訓練負荷を下げ、注文からの待ち時間を短縮した。

「サードプレイス」への回帰。 電源コンセントの開放、ゆったりした椅子の配置、プレスリーダーの設置——コーヒーを飲みに立ち寄る場所ではなく、時間を過ごしたい場所としてのスターバックスの再定義だ。

ロイヤルティプログラムの刷新。 複雑な複数段階制から、シンプルで特典が分かりやすい仕組みに変更。エンゲージメント率が向上している。

残る課題

3四半期の好転はターンアラウンドの完了を意味しない。

競合は拡大している。スペシャルティコーヒーの独立店舗、マクドナルドのマックカフェ——異なる価格帯から攻められている。中国での競争(ラッキンコーヒーなど)も続く。

営業利益率の回復は道半ばだ。株主の期待に応えるには、まだ数四半期が必要だろう。

次の注目点は10月のQ4決算(7〜9月期)。パンプキンスパイスシーズンをカバーする最重要四半期の数字が出れば、「ターンアラウンドの可能性」から「ターンアラウンドの確認」へと評価が変わるかもしれない。