SoftBank Worldは、一般消費者向けのイベントではない。デジタルトランスフォーメーションを加速しようとする日本企業のための年次カンファレンスだ。2026年、そのステージにSamsungが初めて登場し、AIガバナンスをテーマに打ち出したことは、ブランドの進化を示している。
2026年7月14日、SamsungはSoftBank Worldに「AX for Japan」——AI eXperience for Japan——というスローガンで初出展した。このメッセージは意図的なものだ。Samsungは社員にスマートフォンを売りに来たのではない。CIOや経営幹部に向けて、法人向けのAI戦略を語りにきたのだ。
「AX for Japan」というB2Bフレーム
「AX」はSamsungが日本でエンタープライズAI向けの提案をパッケージ化するために使っている概念的フレームワークだ。Samsungのデバイス——スマートフォン、タブレット、モニター、そしてパートナーのクラウドソリューション——がAIで強化されたプロフェッショナルワークフローにどう統合されるかを示す。
AIガバナンス——企業がAI導入を社内でどう管理し、許容される使用ポリシーを定め、意思決定の追跡可能性を確保するか——は、日本の取締役会にとって最優先課題になっている。このテーマで対話の場を設けることで、Samsungは予算と課題を持つ意思決定者に直接アクセスしている。
なぜ日本で、なぜ今か
日本はSamsungにとってB2Bセグメントの重要市場だ。日本企業でのGalaxyデバイスの浸透率は一部の競合より低いが、2024年以降の官民両面でのAI投資加速を受け、デジタル化が大きく進んでいる。
ソフトバンクは自然な触媒でもある。同グループはほぼすべての主要日本企業と商業関係を持つ。年次イベントに出展することは、本来なら構築に何年もかかる意思決定者ネットワークへのアクセスをSamsungにもたらす。
デバイスを超えたSamsungブランド
この動きはSamsungの戦略における大きな方向性を示している。ブランドは、ハードウェアメーカーではなく「AIトランスフォーメーションのパートナー」として法人購買担当者の意識に刻まれようとしている。これは長期的なポジショニング戦略であり、フリート契約、ソフトウェアパートナーシップ、エンタープライズ入札への参加という——コンシューマー市場とは全く異なり、往々にしてより安定した——収益基盤を準備するものだ。
